木工を減らそう運動

こんにちは、pansのいぬかいです。

6月に展示会のパッケージブースが高すぎる!、というブログをこちらに書きました。  でも、それは制作会社サイドの問題ではなく、主催者側が利益とりすぎでは?、という問題でした。なのでD.I.Yブースの提案をしています。

でも今書こうとしている事は、広告代理店側、それを受ける制作会社側の問題です。わたしは展示会でゴミを増やすのが嫌になって(それだけの理由ではないですが)、19年前に大手ディスプレイ会社を退社しました。その後転職先の会社で世界会議の展示会事務局をやることなり、13年間毎年違う国に行って日本企業のブース展示装飾をやってオープンさせる、という経験をさせて頂きました。 13カ国(13年間)は全て違う都市(アメリカならオーランド、SFO,N.Y, シカゴなど)でしたから、木工のブースといっても作り方がそれぞれ違っていたり、システム部材と上手に組み合わせて作ったり、装飾費を削減するために色々と現地ディスプレイ会社と話をした結果本当に勉強になりました。今でもそのチャンスを継続的にくれた上場企業の会社様には頭が上がりません。

海外(欧米と書いたほうがいいですかね)では、一般的にカスタムデザインのブース装飾は非常に高くつきます。従って、基本的にはその会社の倉庫に持っている部材・パネルなどを再利用することを最優先に、足りない部分、例えば「壁を日本風の障子壁面にしてワーロンやアクリルを埋め込みたい」というところだけは別注で、というのが進め方です。(でも海外経験の少ない会社所属のデザイナーさん達は日本の感覚で図面を書いてプレゼンしてしまうのでそのままのデザインで予算が合うことは皆無です)

色々な国のディスプレイ会社と仕事をした中で感じてきたことは、「木工造作を減らす努力をしている、思考を持っている」ということです。 日本は逆に木工でなんでも作れるから作っちゃえばいいじゃん、という考え方です。これは日本が木の文化に由来しているからでしょうか・・・?!  アメリカはユニオンがあり人件費が高いということはもちろんあり、ヨーロッパでは環境意識の高さからシステム最優先、ということもあるでしょう。 しかし日本の木工依存度は度を越しているように感じています。

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TVを見ていてたくさんの企業が新サービス・発表会プレスをやっていますが、それらの場所は殆どホテルで、風も吹かないホテルなのに木工できっちり壁を作ったりしている会社が非常に多いと気付きます。 おそらく使い回しのリースパネルを使って経師紙を貼っていると思うのですが、トラックで搬入、職人数名が組立て、片付け、撤収、という流れは同じはず。

「コネクションペンギン使えば宅急便で送って1人で組立て・片付けが出来るのに」。

広告代理店が仕事を受け、関連会社・子会社の下請けに投げる。その会社は職人を抱えていて工場に部材もあるから印刷機器と同じで廻して行かないとならない。だから工場にある木工パネルをベースに考える。こんな流れでしょうか?

では一旦「記者会見は木工パネルでも良い」、とします。 別の仕事状況を考えてみます。同じ木工工場と職人を持つこの会社にこんな仕事が来たらどうするのでしょう?

その1:「全国35箇所で某お菓子メーカーの新商品キャンペーンをCM開始時期に集中して行う」

その2:「海外5カ国で3コマのブースで同じ内容をやりたい」

大手広告代理店といつも仕事をしている会社なら常に上記のような宿題は常に訪れます。

その1,これはもし木工造作ですべてステージや什器を作って運んでいたら、15箇所持ちまわる運搬費と、そこに必要な職人さんの人件費だけで予算が合わないでしょう。そして木工什器も1箇所目の品質を保ったまま15箇所を持ちまわることは不可能なので、メンテンナス、または7箇所くらいで作り直しの可能性も出てきます。

その2,この宿題は残念ながらこの会社では受けることが出来ないでしょう。いえ、一部のバブル景気のクライアントなら、日本で什器をきっちり作って船やエアーで海外に運ぶ、っていうことを考えるのかも知れません。 ですがそれは例外中の例外。5カ国現地の受ける会社が違うのですから木工造作は基本的にNG.  残る選択肢は「社員さんでも組立てできるポータブル什器を使いまわす」です。 *5カ国がインドネシア、タイ等の非常にコスト安の国なら全部木工も可能ですけど。

いつも木工思考で仕事をしている日本のディスプレイ会社または、制作プロダクションさんは一度3年に一度デュッセルドルフで開催される「Euroshop」を見に行って欲しいです。

来年2014年2月16日~20日まで、終日ペンギンブースにいますので私がご案内しますよ^/^