こんにちは、pansいぬかいです。9月は東京ビッグサイトと大阪インテックスの2ヶ所で展示会に出展しました。が、主催者にクレームだらけの展示会になりました。以下に欧米と比べて日本の展示会がいまだにダメだな~、と思っている部分を出展者目線で述べたいと思います。加えて私も35年前はどっぷり展示会業界で働いていましたので、裏方の目線からも意見したいと思います。
1:似たような分野が乱立し1つ1つの展示会規模が小さい=来場者が少ない。
そもそものシステムの違いが原因なのですが、ヨーロッパは行政が展示会場を管理・運営しています。ハノーバー市、フランクフルト市、デュッセルドルフ市などの行政管理の広い展示会場でMesse(展示会)が開催され、そのスケジュールもコマ割りも行政側がある程度コントロール可能です。一方、日本では例として東京ビッグサイトは今や株式会社にはなりましたが、自ら企画と主催をしている展示会は数えるほどで、基本的には場所を貸しているに留まり、企画や運営はRX JAPANや日本能率協会、日経新聞などが場所を借りて行います。ここで主催者同士の競争が発生し、似たような展示会が増え、結果1つの展示会への来場者も減ります。 一方欧米は(国を跨げば多少はありますが)カメラならこの展示会、機械ならこの展示会、ファッションならこの展示会、というようにある程度産業別にMesseが固定されているおかげで、全世界からその展示会に出展及び来場することになるため、自然と1つのMesseが巨大になります。弊社が関連するところで言えば、ディスプレイ什器系ならEUROSHOP(3年に一度デュッセルドルフ)。デジタルプリンティングならFESPA, VISCOM, C! PRINT辺り。これは国を跨いで1年に数カ国で開催されます。世界中から来ますから、日本のように来場者が少ない! ということはありません。
2:とにかく誰でも何でも良いから名刺を集めたがる出展企業が多い。
今回出展した展示会は特にひどかったかも知れませんが、会場を歩けば右から左からニンジンを吊り下げて名刺または名刺の情報を取得しようと、歌舞伎町の客引きよりもひどい状態になります。ほとんどの来場者はこの客引きに疲弊して会場を後にします。これは完全に出展企業側の品位が低く、「内容よりも量を追う」という悪い習慣を続けている為で、実際に現場で立つ人たちに名刺集めのノルマを課している事例もあります。押し売りのようなしつこい勧誘はブランド価値を下げ、もうその企業に良い印象は持たれないでしょう。以下の写真は向かい側ブースの強引な呼び込みが弊社ブースに侵食してきている写真です。

3:主催者が不動産屋なので、1コマが小さく似たようなブース装飾ばかり。
前述の通り、日本の主催者は会場を持たないため、東京ビッグサイトやインテックス大阪から借りた会場に出展企業をプロットしていきます。利益を考えたらできるだけ詰めて配置した方が儲かりますから、出展企業が極端に少ない場合は仕方ないとして、人気展示会ではギュウギュウに詰め込みます。ここで不満なのは日本は奥行きが3.0 または2.7mというサイズであること。これが何十年も変わっていません。高さも海外ではパッケージブース標準はH2.5mですが、日本はなぜか2.7m. 尺サイズ= 木工ベースサイズではありますが、モジュールシステムを使いたい海外出展企業や出展者にとっては中途半端な寸法です。1コマサイズを欧米のように4 x 4mにしてくれたら、2コマで w8 x d4mになるので日本の2コマ w6 x d2.7mに比べてもっと工夫されたブース出展が可能になるのになあ、個性も出せるのになあ、と感じます。
以上、今回は日本の展示会への愚痴でした。もちろん全ての展示会がダメな訳ではなく、特にDX, AI, ECなどの形が無いクラウド系の展示会が酷いように感じました。
